2012年6月13日水曜日

GPz900Rボアアップ作戦 その3

みなさんこんばんわ!
ボアアップ作戦もついに3回目の連載となりました~♪
今日は分解の最終話になります。


その2で取り外したシリンダーヘッドの燃焼室側です。
なにやら燃焼室がオイリーな場所がありますね。
オイル下がりを起こしていたようで、写真には写ってませんが排気ポートがちょっとヌルっとするカーボンが付着してました。
どうやら排気側のバルブから下がったようです。
という訳でこの時点でヘッドのオーバーホールも確定します。
ガイド打ち換えは間違いなく確定です。
シートリングはこの後バルブを外してみないとなんともいえませんが、この際ですから同時にやってしまったほうが
良いです。


オーバーホールの金額が作業着手前にはっきりと出ないのはこういうことがあるからです。
分解してみて発覚する修理箇所を読むことはほぼ不可能です。


GPzの様に20年程経つ車輌ではこういうことも珍しくありません。


実はこのヘッド、ピストンが干渉しているのがお分かり頂けるでしょうか?
燃焼室のIN/EXバルブの脇にカーボンがなぜか付着していない箇所があります。
ココがピストンとクラッシュしていた証拠です。
このヘッドの場合、終了~♪となります。いままでありがとう。そしてさようなら。
こうなるには理由がちゃんとあります。
そう。
それは筆者が調子こいて面研かけまくりのハイコンプ仕様にしていたからですw
明けた瞬間、「あ。やっぱり?(笑)」
ま、そんなもんです。


というわけで筆者はスペアのエンジンのヘッドを使うことにしました。


という訳で気を取り直してシリンダーブロックを取り外します。
その2で緩めたヘッドボルト以外に進行方向左側にもエンジン下側からボルトが止まっていますので
ボルト2本を取り外します。(詳しくはサービスマニュアルを参照下さい)
特に難しいことはありませんが、4気筒分のピストンリング張力がかかっていますので前後方向にゆさぶって
ブロックを抜き取ります。(左右方向にゆさぶらないようにしてください)


取り外したシリンダーブロックの内壁面です。ピストンが上下運動していたキズ(あたり)がついてます。
が、さほどひどいキズは確認出来ませんでした。




ピストンもまあこんなもんです。走行距離なりか程度的には悪い方ではないです。


ピストンピンを抜き取ります。
ピンを抜く前に「サークリップ(ピストンピンクリップとも言います)」を片側のみ取り外します。
サークリップを取り外す際はかならずクランクケースに間違ってもサークリップをおっことさないように
ウエスでふさいでおきましょう。
落とすと大変です。
なぜ片側だけサークリップを外すのかというと、片側だけはずせばピストンピンを抜くことが出来るからです。
両方はずしても問題ありませんが、
クランクケースに落とす(もしくは飛ばしてどこいったか判らない状況)リスクを少しでも減らしたいからです。


以上がボアアップを行ううえで最低必要な作業となります。
外したシリンダーブロックからガスケットのカスをキレイに剥がしボーリング屋さんへピストンと一緒に発送して
ボーリング作業をお願いすることになります。
カスがキレイに取れていない場合はボーリング屋さんで追加工賃が発生する場合があります。
スクレイパーでキレイに剥がしましょう。


弊社でもボーリング加工を承っております。
¥29,400(税抜き¥28,000)
※弊社への発送送料はお客様の負担となります。
この場合、シリンダーのみお送り下さい。ピストンとセットにて代引きでの発送が可能です!
(ピストンクリアランスはご指定なき場合、弊社のおすすめ値となります)


納期はおおよそ2週間ほど頂戴しております(時期により多少前後します)


シリンダーブロックを加工に出している間、腰下までやってしまうか、ゆっくり待つかはアナタ次第です(笑)


ちなみにGPz限定の話ですが、GPz900Rはご存知のとおり、ダイアモンドフレームと言いまして
エンジンしたにフレームが無く、(ダウンチューブが無い)エンジン自体がフレーム構成部品の一部となってます。
車載上にてバラしますと当然ですが
フレームの背骨だけで支えている事になります。
この状態での長期保管は厳禁です!(フレームが簡単に開いてしまいます)
またがったりしたら簡単に開いてくれちゃいます。
なのでワンポイント。


残っている腰下(クランクケース)とフレーム前上部(シリンダーヘッドと連結していたボルト部)を
タイダウンベルトなどで締めておきましょう。
(ぎゃんぎゃんに締めたらダメですよ)
こうしておくことでフレームが開くのを防げます。


それと最後に、サービスマニュアルをキチンと熟読してからの作業をオススメ致します。
このブログでは細かい作業箇所までを書いておりません。
(書くのを忘れているとも言う(笑))


ブログのとおりにやったのに、書いてないから指示の無いボルトを緩めないで壊れた~!
などのクレームは受け付けません。
付帯作業、取り外して順などはサービスマニュアルに準じて下さい。
しつこいようですが、本ブログは作業抜粋編とお考え下さい。


ではまた。