みなさんこんばんわ。
九州から東海にかけて大雨でしたね。みなさん大丈夫でしょうか?
関東は若干降った程度でした。
さて、GPZボアアップ作戦も終盤です。
シリンダーブロックをドッキングします。
組み付ける際、1・4を上死点で取り付けますと、中央の2・3番が後々やりにくくなりますので
2・3番を上死点にしておいて、先に中央の2つのピストンからシリンダーブロックへ収めていく方が
やりやすいと思います。
本来ですと、ピストンリングコンプレッサーなる特殊工具を使用してブロックへ収めますが
無くても作業可能ですし、筆者も何度もエンジンを組んでますがバイクでは一度も使ったことがありません。
4輪ともなると流石にピストンも大きくなりますし、リングの張力もでかい分ハンパ無いので使った方が作業は早いです。
ここでの注意点は、トップリングは割りとすんなりと収まるのですが、
セカンドリングは張力が結構あり、「サイズ間違ってんじゃないの?」て位、はまりません。
少しずつ慎重に小さいマイナスドライバーなどを駆使してブロックへ収めて下さい。
強引に行き過ぎると、リングがズレて乗り上げ、せっかくボーリングしたシリンダーをいためたり、
ピストンリングが折れたりします。
片手にブロックを持ちながらの作業ともなると、なかなか大変です。
しかも車載上ともなれば無理な体制を強いられます。
出来ることなら二人作業が望ましいですし、遥かに楽です。
暇な友達に缶コーヒー1本でお手伝いしてもらう方がいいかも判りませんね(笑)
慣れれば一人でなんの問題も無くこなせる作業です。
クランクケース側にノックピンが2箇所ありますので、必然的に座る位置は決まってきますが
筆者は、ブロックを手で押さえながら数回手でクランキングさせます。
確認の意味と、「おまじない」です(笑)ま、芯だしの意味も多少あります。
念のため、ピストンのバルブリセス(逃げ)へ粘土を置き、
この後シリンダーヘッドを規定トルクで締め上げ、カムシャフトをセットし、改めてクランキングします。
バルブクラッシュが無いかの確認です。
弊社ピストンキットは十分なリセスの確保が行われてますが、ボルトオンキットと言えど
こういった基本的な確認作業は入念に行います。
特に、社外製ハイカムシャフトや、ビックバルブなどを組み込んだ際には必ず行わなければならない作業です。
「ボルトオンキットなのにこんなことしなきゃPOSHのピストンはいかんのか?」と
思われる方もいらっしゃるかも判りません
が
確認せずに壊れてもアナタの責任。
確認して安心して乗るのもアナタ次第 と筆者は思います。
世の中、確認せずに安心無しなのです。
燃焼室容積も4気筒とも違うような、又、バルブシートへの着座位置も様々な場合、基準がそもそもありません。
純正のように十二分にリセスの逃げがなされており、圧縮比もさほど高くない場合は
問題にはなりませんが、
ハイコンプの場合、これが問題となる場合もあります。なので、確認作業を行います。
シリンダーヘッドを組み付け、貫通ボルトを規定トルクで締め付けます。
一気に規定値で締め付けずに均等に少しずつトルクをかけて行います。ゆがみを防止する為です。
カムシャフト・カムチェーンを取り付け、合いマークをあわせてます。
バルブクリアランスを規定値で取り、数度クランキングを行います。
まだプラグを取り付けてないのでこの段階ではクランキングも軽く廻るはずです。
この時点で軽く廻らない(ひっかかるなど)場合、組み付け不良の可能性が高いので
大至急原因追求をします。
地道ですがこういった確認作業の積み重ねがいいエンジンを作るコツだと筆者は思います。
そこに更に特別な技術が上乗せされることでより良いエンジンに完成します。
数度クランキングを行った後、もう一度ヘッドを分解し、粘土にバルブの接触痕および
リセスのクリアランス測定を行います。
これで一連のボアアップ作業は完了となります。
車載の場合はプラグを取り付け、冷却水・オイルその他付帯する組み付け作業を行い完了です。
最後にご注意。
いきなりエンジンをかけずに、プラグコードを抜いた状態でセルでクランキングさせましょう。
その際、冷却水のエア抜きもある程度この状態で行えますし
もう一度変なひっかかりや、異音が無いか確認してください。
エンジンを始動した直後は組み付けオイルが燃焼室内で燃える為、若干の間白煙があがる場合があります。
暖気を十分に行った段階でまだ白煙がひどい場合は、オイル上がり/下がりの可能性もあります。
その際はプラグを取り外して先端の状態を確認してください。
キャブのM/Jは上がる方向になります。
キャブの再セットアップをナラシ運転中に行ってください。